Greeting from the Owner
ごあいさつ
私たち広瀬醤油は、この土地で生まれ、この土地とともに歩み続けて100年余り。
地域の豊かな自然と、人々の温かな支えに育まれながら、伝統の醤油づくりを守り続けてまいりました。
私たちの醤油は、地域の食卓だけでなく、離れた地に住む皆さまにも、「ふるさとの味」として愛されてきました。
その一滴が大切な人との食事をより豊かにしたりする、そんな醤油でありたいと願っています。
これからも地域とともに歩み、次の100年に向けて皆さまに安心してお使いいただける醤油をお届けしてまいります。
これからも広瀬醤油を、末永くどうぞよろしくお願い申し上げます。
広瀬醤油株式会社
代表取締役 広瀬善規




広瀬醤油のこだわり
醤油づくりを支えるこだわりの素材
私たちの醤油は、自然の恵みと伝統の技術から生まれる一滴一滴に、素材への深いこだわりを込めています。その豊かな味わいと香りを生み出すため、選び抜かれた素材を使用しています。
1. 旨味の大豆
醤油の旨みの基盤となるのが大豆です。私たちは、豊かな味わいを引き出すために、良質な丸大豆を使用しています。蒸し上げた大豆が、発酵の過程で醤油特有の旨みと深みを生み出します。また、丸大豆特有の柔らかな風味が、まろやかな仕上がりを可能にしています。
2. 丁寧に焙煎した香川の小麦
小麦は、醤油特有の香りを生み出す重要な素材です。私たちは、地元香川の小麦を丁寧に焙煎し、程よい香りと甘みを引き出しています。この焙煎の具合が、醤油の風味を大きく左右するため、細心の注意を払っています。
3. 自然の力を活かした塩
発酵を支え、味を引き締める塩にもこだわりがあります。海から得た天日塩を使用することで、醤油に深い味わいを与えつつ、まろやかさも引き出します。この塩が、醤油の仕上がりに絶妙なバランスをもたらします。

醤油の味を支える「麹」づくり
麹は醤油の味わいを生み出す心臓部。”製麹”(せいきく)と呼ばれる麹を生育する工程では、蒸した大豆と焙煎した小麦に麹菌を混ぜて3日かけて麹を作ります。3日麹とも呼ばれるこの工程は、良質な麹を作るために職人の手入れが欠かせない重要な工程になります。
温度や湿度を細かく管理し、職人が丁寧に育てた麹は、醤油のコクと香りを引き出す重要な役割を果たします。
自然の力と伝統の技が織りなす麹づくり。その一粒一粒が、豊かな味わいの源です。

機械によって炒られた小麦

製麹2日目の様子 室の中

製麹の様子 3日麹と呼ばれる
醤油の味わいを決める「熟成」の工程
醤油づくりの中でも、熟成はその味わいと香りを生み出す最も重要なプロセスです。
1. もろみ

完成した麹に塩水を加え、もろみを仕込みます。
もろみを専用の杉桶で1~1年半かけてじっくりと発酵させます。
この発酵の過程で微生物が活発に働き、アミノ酸や有機酸、アルコールなどが生成され、醤油特有の旨み、甘み、酸味、香りの基礎が作られます。
発酵のスピードを急がず、自然に任せることで、奥深い味わいが生まれます。
2. 発酵・熟成
職人が定期的にかき混ぜること(櫂入れ)で、もろみ全体に空気を送り、微生物の働きを活性化させます。
熟成期間は、1年~1年半。
長い時間をかけることで、味と香りがまろやかに整います。

3. 槽がけ(ふねがけ)で圧搾

槽がけは、熟成を終えた「もろみ」から液体部分である醤油を搾り出す工程です。
もろみをろ布で包み、1枚1枚丁寧に重ねていき、圧力をかけてじっくりと絞り出された液体が醤油です。(この工程で得られた醤油が「生揚げ醤油」と呼ばれます。)
槽がけの工程も丁寧に行うことが重要です。
4. 仕上げの火入れ
生醤油も充分おいしいですが、醤油は「生きた発酵食品」です。このままだと日持ちしないため加熱することによって菌の繁殖を防ぎ、長期保存が可能な状態にします。
保存性の向上だけでなく、火入れによる加熱で醤油の香ばしい香りが引き立ち、味に深みが加わります。食卓で親しまれている醤油が完成します。

職人たちの手で丁寧に仕込み、長い時間をかけて発酵・熟成されることで、醤油特有の芳醇な香りと味わいが生まれます。
手間ひまを惜しまないこの工程が、私たちの醤油に唯一無二の味わいをもたらします。
伝統的な造り方でできあがった醤油を、ぜひ味わってみてください。
